2016年11月8日火曜日

千年の「ひいらぎ」[山形市平清水]



天然記念物
「平清水の柊(ひいらぎ)」



〜現地・説明板より〜


県指定天然記念物
平清水のひいらぎ
昭和28年2月13日指定


「ひいらぎ(柊)」は暖かい地方の常緑の小高木で、昔から庭木として広く植えられています。福島県のいわき市が自生の北限とされています。山形にこのような老巨木が生育したことは、極めて珍しいことです。

平清水家は、慶長・元和(1610年代)には山形最上氏の客臣として四千石を賜り、徳川時代には大庄屋をつとめた家柄です。この「ひいらぎ」は、その先祖が邸内の魔除けとして植えたものと伝えられています。

根周(ねまわり)は3.5mあり、根元で二幹に分かれています。東側の幹周(みきまわり)は2.2mで、高さ約11mを測ります。西側の幹はさらに分岐して西方に大きく傾き、枝張りは約10mに達し、地面すれすれに垂下しています。

なお、樹齢は千年を越えるものと推定されています。

平成4年3月
山形県教育委員会
山形市教育委員会



樹齢は千年をこえる



~『わがさと平清水』より~


大和政府は植民政策をおこない、全国より移民をはじめました。年代は不明でありますが、天童市の西沼田、酒田市の城の輪の遺跡などから、山形県地方への移住がうかがえるのであります。

平清水地区でも、平清水家(現第74代、平清水久左衛門氏)は奈良時代の神亀年間、家祖、黒金穆弥(くろがね・ぼくや)公が朝命により下野国(栃木県)から里人数十人を従えて、千歳山南麓に移住し草庵をむすび、飲料水を探しまわり、やや湿地のところを見つけて杖で土地を掘ったところ、突然、清水が湧き出したといわれています。それから自分の家の姓を「平清水」とし、村の名も平清水と呼ぶようになったといわれています。

道家の邸内には柊(ひいらぎ)が樹齢1,000有余年の威容を誇っています。このヒイラギは家祖、黒金穆弥公故郷の山野に生い茂る幼木を移住の地までもってきて屋敷の鬼門に植えたと伝えられています。暖帯性の植物が主家を見守るように、気候的に寒さの厳しい東北地方の山形に土着したことは珍しい。このヒイラギは昭和28年に山形県天然記念物に指定されました。



『わがさと平清水』より




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